消防職員インタビュー

田川地区消防本部で日々現場に立つ職員の皆さんに、普段の仕事や職場の雰囲気、消防という仕事への想いについてお話を伺いました。
火災現場に向かう消防隊、命をつなぐ救急隊、そして高度な技術が求められる救助隊。それぞれの立場から、現場のリアルを語っていただきました。
自己紹介

消防隊/消防第2小隊・3年目・消防士
「田川地区消防本部 本署 消防第2小隊に所属している中村です。主に火災現場への出動や、救急と連携するPA連携など、幅広い業務に従事しています。」

救急隊/救急小隊・6年目・消防士長
救急隊に所属している松波です。主に救急現場での活動を担当しています。救命士として、搬送中の対応も行っています。

救助隊/特別救助小隊・9年目・消防士長
特別救助小隊に所属している大家です。災害現場での救助活動を担当しています。訓練・備えを重ねながら、さまざまな現場に対応しています。
普段はどのようなお仕事をされていますか?

中村さん
消防隊として火災現場への出動が中心です。救急車と消防車が同時に出動する『PA連携』もあり、救急現場にも出動しています。救助の現場にも行くことがあるので、いろんな経験をさせてもらっています。
松波さん
救急隊として救急現場が中心ですが、状況によっては救助現場や火災現場へ出動することもあります。出動以外の時間は、事務作業などもあります。
大家さん
救助隊として、水難救助なども含めたさまざまな災害現場に備えています。火災や救急現場へ出動することもありますし、意外と事務作業も多い仕事です。
1日の仕事の流れを教えてください
出勤して活動服に着替えたら、交代勤務の申し送りを受けます。その後、消防車や資機材の点検を行って、午前中は事務作業。昼休憩を挟んで午後は訓練や、また事務作業をしたりして、災害に備える一日になります。



印象に残っている現場・出来事はありますか?
中村さん
初めて火災現場に出動した時のことは、今でもよく覚えています。消防学校で学んではいたんですが、現場では想定通りに動けないこともあって、無力感を感じました。


松波さん
救急隊として出動する中で、搬送中に容体が急変する場面などは印象に残ります。対応しながら、関係者の方への説明も必要になるので、判断も含めて大変だなと感じることがあります。
大家さん
人が亡くなる現場はやはり印象に残ります。
特に小さなお子さんが亡くなられた現場は、忘れられません。

「消防の職場は厳しい」というイメージもありますが、実際はどうでしょうか。
中村さん
訓練中は現場を想定して行うので厳しい面もありますが、普段は本当に優しく、いろんなことを教えてもらえる環境です。全体として仲のいい職場だと思います。

松波さん
上下関係はもちろんありますが、相談しやすい環境だと思います。仕事以外の時間は普通に話もできるので、雰囲気は良いですね。

大家さん
消防は24時間勤務で一緒に過ごす時間が長いので、自然と距離が近くなると思います。先輩後輩関係なく、いい雰囲気でやれていると感じます。

チームで働く上で大切にしていることは?

中村さん
24時間一緒に勤務するので、コミュニケーションは本当に大事です。相手の立場に立って考えて発言することを意識しています。
松波さん
周りの動きを見ながら活動することですね。自分勝手に行動しない、当たり前のことですけど、それを特に意識しています。
大家さん
休憩時間など仕事以外の時間も含めて会話を多くするようにしています。お互いのことを知っておくのが、現場でも大事になると思っています。

住民の方との関わりで印象に残っていることは?

中村さん
現場で『ありがとうございます』と言っていただけた時は、いつも嬉しいです。その一言が励みになります。
松波さん
『女性の職員もいるんですね』と言われたことが印象に残っています。救急現場では、女性職員がいることで安心される方もいらっしゃるのかなと感じました。

大家さん
防災イベントや保育園・学校などで消防車を見せる機会があるんですけど、子どもたちがすごく喜んでくれるので、消防を知ってもらえる良い機会だと思っています。

地域の皆さんに知ってほしいことは?

大家さん
イベントや防災教室などを通して、消防をもっと身近に感じてもらえたら嬉しいです。特別救助隊というと普段は見えにくい仕事かもしれませんが、私たちも日頃から訓練や備えを重ねています。もし消防署に来る機会があれば、ぜひ気軽に声をかけてください。
この仕事をしていて「やっていてよかった」と感じる瞬間は?
中村さん
小学生の頃から消防士になりたいと思っていて、高校卒業後すぐにこの仕事に就きました。夢が叶ったので、どんな現場でも『やっていてよかった』と感じます。


松波さん
救急で対応した方が回復されて、後日『ありがとう』と言っていただけた時は、頑張ってよかったと思います。
大家さん
住民の方のために、という想いが根本にあります。日頃の訓練や備えが実って、救助が成功した瞬間はやっぱりやりがいを感じます。

大変な時、どう切り替えていますか?

中村さん
気持ちの切り替えは得意ではないので、休みの日は趣味でリフレッシュします。山登りが好きなので、自然の中に行くと落ち着きます。どうしても難しい時は上司や家族に相談します。
これからの目標を教えてください

中村さん
救急救命士の資格取得を目標にしています。救急の仕事にももっと関われるように頑張りたいです。

松波さん
現場の経験を積んで、先輩から学んだことを吸収しながら、後輩にも伝えられる存在になりたいです。

大家さん
救助以外の業務にも興味があります。どこに配属されても力を発揮できるように経験を積んで、最終的には職場でも頼られる職員になりたいです。
消防職員を目指す方へメッセージ

中村さん
消防士になりたいと思った気持ちを忘れず、一生懸命頑張ってほしいです。
松波さん
訓練や勉強が大変で辞めたくなることもあると思いますが、頑張れば夢は叶います。消防に入ってからも勉強は続く仕事です。一緒に頑張りましょう。
大家さん
消防はとてもやりがいのある良い仕事だと思います。一緒に働く仲間が増えたら嬉しいです。

インタビューの最後に、24時間勤務ならではの「消防署の日常」についても少し伺いました。
その中で印象的だったのが、田川消防に昔から続く伝統でもあるという「冷やむぎ」です。
消防署では勤務中、交代のタイミングなどで食事を共にすることもあり、その際に出てくるのが、冷やむぎ。
「麺を冷やして食べるんですが、だし(つゆ)も自分たちで作るんです。誰が作るかで味が変わって、“あの人のだしは美味しい”みたいな話もあります(笑)」
と、笑いながら教えてくれました。
忙しい現場の合間に、隊員同士が自然と会話を交わし、リフレッシュできる時間。
厳しい現場に立ち向かうからこそ、こうした伝統が署内のチームワークを支えているのかもしれません。

